「パレートの法則」で見る落ちこばれ

「パレートの法則」は、1896年にイタリアの経済学者 ヴィルフレド・パレートが提唱したもので、社会全体の上位2割が世の中の富の8割を保有し、一方で8割の低所得者層は社会全体の富の2割しか占めていないというもの。8割-2割であるので、「80:20の法則」「2:8の法則」と呼ばれることもあります。
・売上の8割は、全顧客のうち2割で生み出している
・会社利益の8割は、全従業員のうち2割で構成されている

働かないアリの検証と「2-6-2の法則」

昔から働きアリの2割は働かないと言われておりましたが、それを検証したグループがあります。
進化生物学者で北海道大学大学院准教授の長谷川英祐氏が率いる研究グループで、150匹の働きアリの行動を観察し、よく働くアリ上位30匹、働かないアリ下位30匹を取り出して観察を続けると、各集団の2割程度のアリがほとんど働かなくなることもわかった、としています。

注目は(働かないアリを排除して)よく働くアリだけの集団を作っても、いずれは2割程度働かない集団が発生するということ。
そしてよく働かないアリの集団だけにしても、その8割程度は働くようになることです。

働き者が疲れたら、普段働いていないアリが仕事を肩代わりすることで、アリのコロニーの消滅リスクをヘッジしているのだそうです。
このような割合を「2-6-2の法則」と呼びますが、「パレートの法則」の派生である、と言われています。
30匹:(150ー60)匹:30匹=30:90:30=1:3:1=2:6:2

会社でのボトムアップ

会社でも、優秀な社員が2割、普通の社員が6割、成績の良くない社員が2割の割合で存在するケースが多いと考え、成績下位層を切り捨てるのではなく、下位層への対策を行うことで全体のボトムアップを図ったほうが良いとする考え方を示すときに、この法則がよく使われます。

ボトムアップすると言っても簡単ではありません。かれらは普通に働いていれば生きていける環境にいるからです。サラリーマンは気楽な稼業なんです。特に終身雇用では。

完全独立の組織の中で、生きていってもらうようにする必要がありますね。
全社員150人の会社内に、ある部署を作って、全社員の下位30人で、その部署を構成する、というのも面白い。
或いは、下位30人で別会社を設立して、120人の親会社とは独立採算で運営を進める。

ところで、
1)下位30人のグループの下位2割は6人
2)中上位120人のグループの下位2割は24人
この二つのグループの下位2割を合わせると30人で、150人の集団の下位2割の30人と何も変わっていないことになる。
なにを言っているんだろう、訳がわからなくなってきました。
結局下位2割が存在する限り解決しないのか?

多分、120人の親会社は上位8割で構成されているので、会社としてのポテンシャルはほとんど維持されている、と考えられる。その親会社の下位2割の24人が、今までとは違い働かなくなったとしても。

そして、30人の別会社の構成員は会社を存続させるため8割の24人は遊んでいるわけにはいかない。
下位2割の働かない6人は発生するが、30人のボトムアップできている、と考えることができます。

学校でのボトムアップ

中高生の生徒を想定して何か書こうとしました。
でも、結論は、パレートの法則とは関係なく、成績が悪い生徒は受験科目が苦手なだけであるので、受験科目以外の何かに活路を見い出せるよう、その何かを示すことだ、というような文脈になり、今回のテーマから外れてしまいます。

やはり、このパレートの法則を当てはめるのは、教師の側(教師は組織の一員)のほうが適当であろう、と思い直しました。
教師の側にパレートの法則を当てはめ、教師のボトムアップを考えてみる。

各学校ごと、或いは教育委員会という組織にもこのパレートの法則は適用できるでしょう。
会社でのボトムアップと同じように下位2割の教員をどうするかが課題です。

各学校の下位2割を集めて、なにができるか。
自分がやらなくても、誰かが助けてくれて、なんとか回っていくような環境ではダメです。
自分がやらなくてはどうしようもない環境が必要です。

  • 数人の教師しかいない学校へ赴任してもらう。
  • 学校の生徒に影響しないようにするため、学校とは違う組織で、下位2割を集めた集団、部署で仕事をしてもらう。

では、具体的にどうするかは、パレートの法則のレベルを超えていますので、ここで終わりにします。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

コメント

コメントを残す