たまたまは
たまたまが成せることか?

希望の学校に入れたのはたまたまか。
事故で車をぶつけてしまったのはたまたまか。
コロナはたまたまか。
そもそも生まれたのはたまたまか。

私はそこには意志があると思っています。

セレンディピティ

セレンディピティという言葉は発見の偶然性を示す言葉です。
発明の多くは、しばしば、発明の対象とは全く異なることをしている時、或いは何もしていない時、或いは失敗した時に生まれますが、そのことを指す言葉です。

セレンディピティの事例はたくさんあります。

  • ペニシリン:培養中のブドウ球菌が、たまたまアオカビにより生育を阻止されていた。
  • 電子レンジ:ポケットの中のチョコがマイクロ派で溶けてしまった。
  • ゴム:誤ってストーブの上に、硫黄を含んだゴムを落としてしまった。
  • テフロン:ガスボンベ内にツルツルした物質が生成されていることに気づいた。
  • コカコーラ:薬剤師が頭痛薬を作る過程でその助手が誤って炭酸水に入れた。
  • ポストイット(付箋紙):たまたま弱い接着剤ができてしまった。用途はない。本の栞に使ってみた。

これらの発見では、偶然が非常に重要な役割を担っていますが、それ以前に、注意力と洞察力と忍耐力そしてなによりも意志が必要です。
例えば、ゴムの加硫の発見ですが、アメリカのグッドイヤー氏は1830年、新素材のゴムの弾力性を生かしたかった。しかし、ゴムは夏はねばねばして溶けやすく、冬は硬くてゴムではない。冬場での実験中だったのでしょう。たまたま硫黄を含んだゴムをたまたまストーブの上に落としてしまった。しかし、この発見は本当にたまたまだったのでしょうか。これは彼の意志無しでは発見できなかった事象です。
何かを達成するために続けることです。そのことが、違う何かを産むこともありますが、そこには意志があります。

プランド・ハップンスタンス・セオリー

スティーブ・ジョブズ氏がスピーチしたことで有名なスタンフォード大学の名誉教授クランボルツ博士はプランド・ハップンスタンス・セオリー(ハップンスタンス・ラーニング・セオリー)という理論を提唱し、偶然の出来事がいかに大切なことであるかを説いているそうです。

  • 偶然の出来事の影響を無視したり、過小評価したりするよりは、それらの持つ重要な役割を認識し、利用し、またそれらを積極的に生み出 すべきである。
  • 人生は、結局のところ最初の予定通りには進まず、予想していなかった偶然の出来事が重なり続けてできあがっていく

セレンディピティなどの偶然の出来事で人生を語っているように見えます。
そして、偶然の出来事に出会うための対処スキルとして5つ紹介しています。

  1. 好奇心:新しい学びの機会を模索する(Curiosity)
  2. 持続性:たとえ失敗しても努力し続ける(Persistence)
  3. 柔軟性:姿勢や状況を変えることを進んで取り入れる(Flexibility)
  4. 楽観性:新しい機会は実行でき達成できるものと考える(Optimism)
  5. 冒険心:結果がどうなる分からない場合でも行動することを恐れない(Risk-takin)

全てのスキルに意志が必要です。

ところで、交通事故にも意志があるのか?
車でA地点からB地点に移動する、という意志があります。
この時、その行動に意志があったから、その行動の過程でたまたまの事象として事故が起きた、ということでしょうか。
意志がなければ偶然の幸運はないし、偶然の不幸もない。

たまたまはたまたまではありません。


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