車室内の空気循環「内気循環と外気導入」

車内の空気循環「内気循環と外気導入」どちらがいい?

結論から言えば常に「外気導入」の一択です。
エアコンONでもOFFでも、四季に関係なく、外気導入一択です。
そして、雨降り、雪の場合は絶対に外気導入です。
但し、夏場の短時間ならば内気循環も有りかも知れません。

内気循環はエマージェンシーモードです。外気が明らかに汚れていて異臭がするような時に内気循環を選ぶことになると思いますが・・・。例えば、トラックの後ろについた時、トンネルの中を走行している時です。
最近は花粉やPM2.5レベルの粒子でも、ある程度除去する高性能のフィルターを装着している車も多いです。やはり「外気導入」一択で良いことになります。

以下に四季それぞれの場合で考えてみます。

この絵はインジケータONで「外気導入」状態を表す
スイッチは「内気循環」のみ
この絵はインジケータOFFで「外気導入」状態を表す

夏の場合

夏は暑いので内気循環にして室内をより冷やそうとしている方が多いと思います。
室内温度を下げたい場合は内気循環の方が有効です。熱い外気を導入して冷やすより、冷えた内気を更に冷やす内気循環のほうが室内温度はより下げることができます。でも、室内には人が乗っています。人は呼吸しますのでCO2(二酸化炭素)を出します。このCO2は1時間も乗っていると結構な濃度になります。

JAFの2019年4月3日実施のテストによれば、郊外・山道では、内気循環で走行した車のCO₂の濃度が1時間後で4,730ppmとなった、とあります。一方、外気循環の場合は800ppm前後です。
これは4人乗車時のデータです。従い、2人乗車の場合のCO2は半分として2,400ppm程度かな?長距離で1時間、2時間と走っているとこの数値はまだまだ上がりそうです。これは危険です。

CO₂の濃度が3,000ppmを超えると、疲労感の増加や注意力の低下、さらに、眠気や頭痛を訴える人が増加するそうです。
JAFのテストではスタートから15分後ぐらいでこの危険領域に入っています。
安全運転の為には外気導入が必須ですね。

尚、蛇足ですが、夏場に車室内を早く冷やすには、乗車時に高温の室内空気を早く車外に出す必要があります。その為には、内気循環より外気導入の方が有効です。
最初の5分(適当な時間です)は外気導入で室内の熱い空気を排出、その後の10分(これも適当です)は内気循環で室内空気を冷やす、更にその後は外気導入でCO2を減らしながら冷やしましょう。
オートエアコンではやっているのかな?

冬の場合

暖房も内気循環のほうが温度を上げることができます。内気の温かい空気を更に温めたほうが温度を上げるには有効ですね。
でも、走行中は人が乗っています。人は呼吸することで息を吐き、皮膚からの発汗でも水分を発散します。従って、内気循環時の室内の湿度はどんどん上がります。冬は暖房しますので、高温多湿の室内空気となります。
一方、外気の空気温度は低いので、ガラスの表面温度の室外側は低く、室内側の表面温度は高いとう状態になります。ガラス表面の温度差により室内側のガラス表面の空気は冷やされ結露が発生します。窓が曇って、視界不良の状態です。室内側のガラス表面で結露するのでワイパーでは拭うことはできません。安全走行にはちょっと厄介ですね。通常はデフロスタモードにして温風をフロントガラスに当てて曇りを取り除きますが車室内の高温多湿の風を送るより、車室外の高温低湿の風を送ったほうが効果的ですね。

走行時の視界確保のためには絶対に「外気導入」です。

尚、内気でエアコンONという使い方も考えられますが、とても除湿しきれなく、ほとんど窓は晴れない。

春秋の場合

送風機すら要らない気候です。でも、人は乗っていますので二酸化炭素は発生します。外気の気持ちの良い空気を吸うため、走ることで外気を取り入れて換気しましょう。
尚、梅雨時など雨降りの場合は「外気導入」は必須です。
車室内の空気も(車室外同様)元々湿度が高い状態です。車室内空気は、そこに人が出す水分と体温が加わり、車室外の空気より必ず高温多湿になります。
ガラス表面の温度差により、窓ガラスの内側は曇りやすくなります。大変危険です。視界不良で、正にエマージェンシー状態です。
こんな場合は、外気導入にし、エアコンもONで除湿し、吹出はデフロスタモードでフロントガラスに送風し、送風機はHIにしましょう。

今でも時々、窓を曇らせて走っている車を見かけますね。
「外気導入にすぐ切り替えなさい」と言いたいですね。


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