少子化を考える
2100年には6,000万人

日本の人口は減ってはいけないのか?
日本の人口は2010年をピークに減少しています。
そして、このまま推移すれば、80年後の2100年には3,800~6,500万人(中央値5,000万人)になるとの予測がでています。

ここでは、現在の約半分の6,000万人になると仮定して、この成り行きの人口ではダメなのかを考えてみます。

人口6,000万人って、いつの時代

先ずは、日本の人口と平均寿命の推移を見てみます。

人口    男女平均寿命
平安時代    : 600万人   30才(貴族)
室町時代    : 800万人   33才
戦国時代    : 1,200万人  30代
江戸時代中期  : 3,100万人  45才
明治維新    : 3,300万人  44才
大正元年    : 5,000万人  44才
昭和元年    : 6,000万人  45才
太平洋戦争終戦 : 7200万人   52才
平成元年    :12,300万人  79才
2010年ピーク :12,800万人  83才
2020年    :12,600万人  84才
2050年予測   : 9,700万人  86才
2100年予測  :3,800〜6,500万人

鎖国しても300年やっていけた江戸時代の人口は参考になります。3,000万人ですね。
但し、江戸時代に寿命が今のように伸びて倍になれば、人口は6,000万人前後になるかもしれません。
また、鎖国したら、2020年の人口を食料自給率38%(カロリーベース)分しか支えられないとすると、4,800万人程度になります。食料自給率をもっと上げないと日本単独で6,000万人の維持は難しい、ということになります。
尚、6,000万人は昭和元年(1925年)辺りで約100年前の人口となります。

エコロジカル・フットプリント

ところで、日本の適正人口ですが、”世界で45億人、日本で5,500万人が適正”という考え方があります。
「エコロジカル・フットプリント」という考え方に基づくようです。

地球が持続可能であるためには、地球は人口45億人まで抱えることができる。
日本では5,500万人の割り当てとなるそうですが、これは国土を基準に数値化した指標で算出しています。
即ち、鎖国状態で、食料自給率は100%前提ですね。

5,500万人は人口半減です。国内消費で必要とするエネルギーも半分でよい。
CO2も半分になるのかな。
地球環境という観点では、今の少子化は良いことかもしれません。

(参考Wikipediaより)エコロジカル・フットプリント(Ecological footpront)とは、人間生活がどれほど自然環境に依存しているのかを伝える指標を指し、人が持続可能な生活を送るのに必要である生産可能な土地面積として表すことができます。
通常は、生活を維持するのに必要な一人当たりの陸地および水域の面積として示されます。

イギリス・フランスとの人口比較

しかし、5,000万人、6,000万人は現状のイギリス、フランスより少ないレベルです。
(フランスは6,500万人、イギリスは6,700万人 ドイツは8,000万人)
当然日本のGDPも低下し、国としての存在感は今よりも低下します。
今でも、イギリス・フランスよりは存在感が小さいのに更に小さくなる、ということです。
存在感は人口だけでは測れませんが……。個人的にはちょっとイヤだな、と思います。

いつ歯止めをかけるのか

昨年2020年の新生児の数は84万人です。そして平均寿命は男性81.64才、女性87.74才で(単純)男女平均寿命84.69才となります。
今年以降もこの出生数が維持できれば、新生児が寿命を全うする85年後には
84万人✖️84.69才≒7100万人となります。

今すぐ手を打っても85年後には7,100万人への低下は避けられないということです。

ここで重要なことは、出生数を維持する為には、出生率を徐々に高めていく必要があります。
今生まれた人が次の世代を作る20年〜30年後には出生率を2.0にする必要があります。第一子出生時の母の平均年齢は30.7才、遅くとも30年後には……。

2020年日本の出生率は1.34です。
1970年ごろの出生率は2.1で、以降50年間、低下が継続しています。
言うまでもなく、これを上昇に反転させる必要があります。

そろそろ、本気にならないといけないですね。
新生児の数が80万人を切ってきたらイエローゾーンです。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

コメント

コメントを残す